この比較で見ている範囲と、見ていないこと

この記事では生成文の品質を数値で計測していません。同じ依頼をしても出力は毎回変わり、良し悪しの判断も用途によって割れるため、点数化しても読者の判断材料になりにくいからです。

代わりに見ているのは、契約前に確定できる要素です。具体的には「何が上限として設定されているか」「その上限を自分は何割まで使い切れるか」「記事制作のどの工程が置き換わるか」の3点に絞りました。

料金と無料枠は各公式サイトの公開情報を整理したもので、2026年8月1日に変更がないことを確認しています。単価と実額は、公開されている金額をこの記事で割り算した試算値です。裏づけが取れない項目は「要確認」と書きました。評価の方針は運営方針・評価基準にまとめています。

「月額いくら」の前に、上限の単位を見る

AIライティングツールの比較でつまずきやすいのは、月額だけを横に並べてしまうことです。ツールによって「何が減っていくのか」が違うため、金額だけでは高い安いを判断できません。

現在の主なツールは、上限の単位で3つに分かれます。

  • 回数・機能で区切るタイプ:無料の汎用AI。1日に送れる回数や使えるモデルに制限がかかる
  • クレジットで区切るタイプ:Catchy。生成のたびにクレジットを消費し、短文なら1クレジット、記事本文なら4クレジットが目安
  • 文字数で区切るタイプ:Transcope。生成した文字数が月の上限から引かれていく

この違いは、使い方の相性に直結します。短い文を大量に作る人はクレジット型のほうが感覚に合い、長い記事を少数作る人は文字数型のほうが見積もりやすくなります。逆にすると、上限に届かないまま払い続けたり、月半ばで枠が尽きたりします。

なお、生成をやり直したぶんも消費に含まれるか、使い切れなかったぶんを翌月に繰り越せるかは、公式ページの記載からは読み取れませんでした(いずれも要確認)。試用の段階で数回やり直しをして、残量の減り方を見ておくと安全です。

上限を使い切った場合の「最良値」を先に出す

単位が違うツールを比べるには、いったん「1回・1本あたりいくら」に直す必要があります。ただしここで出る数字は、上限を余さず使い切った場合の最良値です。実際の支払い感覚とは別物なので、その前提を忘れないでください。

Catchy(クレジット単価・使い切った場合)

  • 100クレジット 3,000円 → 1クレジット30円
  • 200クレジット 5,700円 → 1クレジット28.5円
  • 300クレジット 8,100円 → 1クレジット27円

上位の段階ほど単価が下がる設計です。記事本文1本を4クレジットとすると108〜120円、短文コピー1本なら27〜30円という計算になります。上位のProは9,800円で使い放題のため、300クレジット(8,100円)を超えて使う月は、差額1,700円で上限が外れる形になります。

Transcope(文字数単価・使い切った場合)

  • Basic 11,000円 ÷ 50,000文字 → 1,000文字あたり220円
  • Pro 38,500円 ÷ 250,000文字 → 1,000文字あたり154円
  • Enterprise 66,000円 ÷ 600,000文字 → 1,000文字あたり110円

5,000文字の記事に換算すると、Basicの枠をちょうど使い切る月10本のときに1本1,100円です。追加の文字数オプション(20,000文字あたり2,200円〜)は1,000文字110円からの計算になり、上限を少し超える月は上位プランに上げるより追加購入のほうが安く収まる場合があります(オプション価格には幅があるため条件は要確認)。

ここで分かるのは、両者を同じ土俵では比べられないという事実です。Catchyの「記事本文4クレジット=約120円」は生成1回ぶんの単価で、Transcopeの「1本1,100円」は書き上げるまでの文字数ぶんの単価です。比べるべきなのはツール同士ではなく、自分の作りたい量とその単位ということになります。

未消化ぶんは払い損:消化率で見た実額

前の章の単価は、上限を100%使い切ったときの値でした。現実にはそこまで使わない月がほとんどで、使い切れなかったぶんは払ったのに受け取っていない状態になります。この観点で実額を出し直すと、印象がかなり変わります。

Transcope Basic(11,000円・月50,000文字)で、5,000文字の記事を書いた場合の1本あたりの実額はこうなります。

  • 月10本(消化率100%)→ 1本 1,100円
  • 月6本(消化率60%)→ 1本 約1,833円
  • 月5本(消化率50%)→ 1本 2,200円
  • 月3本(消化率30%)→ 1本 約3,667円

Catchy Starterの最小構成(3,000円・100クレジット)で、短文コピーを作った場合も同じ構造です。

  • 月100本(消化率100%)→ 1本 30円
  • 月60本(消化率60%)→ 1本 50円
  • 月30本(消化率30%)→ 1本 100円

つまり、同じプランでも作る量が半分になれば1本あたりの負担は倍になります。比較記事で見かける「1本◯円」は、たいてい消化率100%の最良値です。自分の実績に当てはめ直さないと、2〜3倍ずれた前提で契約することになります。

では、未消化がどこまでなら許容できるのか。この記事では6割という線を置きましたが、これは公式の基準ではなく、上の試算から引いた目安です。1本あたりの実額は消化率に反比例するため、6割なら最良値の約1.7倍、5割なら2倍、3割なら3倍を超えます。

6割にしたのは、制作量の月ごとの上下を吸収するためです。平常月に6割を消化できていれば、少ない月に5割まで落ちても倍率は2倍で踏みとどまります。平常月がすでに5割なら、閑散月には3倍を超える月が混じることになります。

もう一つの理由は、下げ先がないことです。Catchy StarterもTranscope Basicも各社の最小構成なので、消化率が低いときに一段安いプランへ移る選択肢がありません。行き先は無料枠か、無料の汎用AIでの手作業になります。無料のままどこまで回せるかは生成AIを無料で使い分ける運用術にまとめています。

記事1本の工程のうち、どこを任せたいか

もう一つの選び方の軸が、作業工程です。記事1本を作る流れは、おおまかに次の5つに分けられます。

  1. キーワードを決め、検索意図と競合を調べる
  2. 見出し構成を組む
  3. 初稿を書く
  4. 事実確認と推敲をする
  5. 入稿し、公開後に手を入れる

無料の汎用AIが強いのは3と4です。下書きを書かせ、書き換えを頼む部分は、依頼文さえ整えればほぼ同じことができます。頼み方で出力が変わる点はAIプロンプトのコツにまとめました。

専用ツールの価値が出るのは1と2です。Transcopeはこの工程を専用の画面で進められるため、毎回自分で競合を開いて見出しを写す作業が減ります。Catchyが担うのは3の一部、それも短文に限られます。

逆に言えば、1と2を自分でやる習慣がある人は、専用ツールを入れても短縮できる時間が小さいということです。無料AIとの差がどこに出るかはTranscope と無料ライティングAIの比較で詳しく見ています。

4の事実確認は、どのツールを使っても人の手に残ります。ここを省くと公開後の修正が増えるため、時短の見積もりからは外して考えるほうが安全です。

有料に切り替える判断は、直近3ヶ月の3つの数字で決める

「そろそろ有料にすべきか」を感覚で決めると、たいてい早すぎます。判断するなら、直近3ヶ月ぶんの実績を各月ごとに、次の3つの数字で見てください。

  • A:各月に完成させた記事の本数(と、その平均文字数)/短文コピーの本数
  • B:構成づくり(キーワード調査+見出し)に使った合計時間(月あたり)
  • C:各月に無料枠を使い切った日付

AとCを、前の章の消化率の表に当てはめます。判定に使うのは3ヶ月の平均ではなく、最も少なかった月です。その月でも5,000文字の記事が6本以上(A)、無料枠を20日より前に使い切っている(C)なら、Transcope Basicの枠は安定して6割以上を消化できる計算になります。短文が最も少ない月でも60本以上なら、Catchy Starterの最小構成が同じ水準に乗ります。

Bは金額ではなく時間の判断材料です。構成づくりに毎月3時間以上使っているなら、その工程ごと置き換える価値が出てきます。逆にBが1時間未満なら、置き換えても浮く時間はわずかで、支出だけが増えます。

なお、Bは記憶ではなく実測で出してください。構成づくりは「短く感じるが実際は長い」工程の代表で、体感と実測が最もずれる部分です。

選ぶときにつまずきやすい3パターン

1. 上限の単位を確かめずにプランを決める

月額の安いプランを選んだのに、月の半ばで枠が尽きて追加購入する。あるいは上限に半分も届かないまま払い続ける。どちらも、自分の制作量を「クレジット」や「文字数」に換算しないまま契約したときに起こります。

2. 月単位の感覚のまま、年間の支払額を見ない

月額11,000円は判断しやすい額ですが、続ければ年132,000円になります。Catchy Starterの最小構成(3,000円)でも年36,000円です。契約から1年たった時点で、その額を払って何本作れたかを一度突き合わせてください。

月ごとには「今月は少なかった」で流していた未消化が、12ヶ月ぶんで割り直すと1本あたりの実額に表れます。年換算の数字が想定より高いなら、プランを下げるか無料に戻す判断材料になります。

なお、短文と長文の両方を作る人が2つを同時に契約すると、合計額は個人の運用では回収しにくい水準になります。どちらを主軸にするかで1つに絞る考え方はCatchyとTranscopeの比較で整理しました。

3. 表示価格だけで総額を見積もる

Catchyは税区分が公式ページに明記されておらず(要確認)、Transcopeは税込表記ですが最低契約が1ヶ月で自動更新されます。文字数の追加オプションを使う月は、その分も加わります。申し込み前に、上限を超えた月の支払額まで含めて確認しておくと想定外が減ります。

よくある質問

使い切れなかった上限は、翌月に繰り越せますか?

繰り越しの可否は、両ツールとも公式ページの公開情報からは確認できませんでした(要確認)。繰り越せない前提で見積もるのが安全側の判断です。本記事が消化率を重視しているのはこのためで、繰り越せないなら未消化ぶんはその月に消えます。契約前に、公式サイトかサポートで繰り越しの扱いを確認しておくと、プラン選びの精度が上がります。

無料の汎用AIと専用ツールで、出てくる文章の質は違いますか?

本記事では品質を計測していないため、質の優劣は判断していません。公開情報から言えるのは、専用ツールの価値が「文章そのもの」より「工程の省略」に寄っているという点です。テンプレートを選ぶだけで短文が出る、キーワードから競合分析と見出し提案まで一画面で進む、といった操作の手間の差が中心になります。

1週間のトライアル期間には、何を測っておけばいいですか?

金額の判断に効くのは、次の3つを記録することです。

  • 記事1本を仕上げるまでに枠がどれだけ減ったか(やり直しぶんを含む実消費)
  • キーワード調査と構成づくりに使った時間が、普段と比べて何分減ったか
  • 生成後に自分で直した箇所の数

3つ目が多いなら、工程は減っておらず、置き換えの効果は限定的だと判断できます。

途中でプランを下げたり、やめたりできますか?

Transcopeは最低契約が1ヶ月で毎月自動更新のため、やめる場合は更新日を確認する必要があります。Catchy側のプラン変更・解約の手続きは公式ページに明記が見つからず、条件は要確認です。どちらも申し込み前に、解約の方法と締め日を公式サイトで確認してください。実際の使用感や評判の傾向はTranscopeの評判・口コミにまとめています。