Nottaの使い方は「音声がいまどこにあるか」で決まる
Nottaの使い方を調べると、会議・取材・授業といった用途ごとの紹介がよく見つかります。ただ、実際に操作するときに迷うのは用途ではなく、音声をどこから入れるかのほうです。同じ「会議」でも、オンラインか対面かで入れ方がまったく変わります。
この記事では、Nottaの入口を次の5つに分けて、用途から逆に引けるように整理しました。
- Botの招待 … Web会議に参加させて録る
- 端末でのリアルタイム録音 … スマホアプリ・Web版・デスクトップ版のマイクで録る
- ファイルの取り込み … 録音済みの音声・動画ファイルを上げる
- YouTubeのURL … 公開動画のリンクを貼る
- Chrome拡張のタブ録音 … ブラウザで再生している音声を録る
根拠にしたのは、2026年9月21日に取得した公式ヘルプセンターの各機能ページと公式料金ページです。文字起こしの精度や処理時間は計測していないので、この記事では扱いません。評価の考え方は運営方針・評価基準にまとめています。
プランごとの時間や回数の上限は、Nottaの無料と有料の違いで数字を並べています。ここでは上限の数字を繰り返さず、「どの入口で、どの機能が効くか」に絞ります。
会議の文字起こし:オンラインはBot、対面は端末の録音
オンライン会議はBotを招待する
Zoom・Google Meet・Microsoft Teams・Webexの会議は、Notta Botを参加者として招待して録ります。招待のしかたは2通りあります。
- 手動 … 会議の招待URLをNottaのWeb版かアプリに貼り、Botを呼ぶ
- 自動 … GoogleカレンダーかOutlookカレンダーを連携し、予定ごとに「自動参加」をオンにしておく
自動参加は2週間先までの予定が同期され、毎回URLを貼る手間がなくなります。公式ヘルプはどちらも「すべてのプランで利用可能」と書いています。
Botは参加者の1人として会議に入ります。相手から見ると見慣れない参加者が増えるので、社外の会議では冒頭で文字起こしを使うことを伝えておくと、あとで揉めずに済みます。
対面の会議は、端末のマイクで録音する
会議室での打ち合わせは、スマホアプリ・Web版・デスクトップ版のどれかで録音しながら文字にします。机の中央にスマホを置くか、ノートパソコンのWeb版で録るのが手軽です。
気をつけたいのは話者識別です。マイク録音のリアルタイム文字起こしで話者が分かれるのは日本語のみ(最大10名)です。英語など日本語以外の会話で「誰が話したか」を残したいなら、次の章の「録ってから取り込む」に切り替えてください。
会議室と在宅が混ざる会議は、Botだけでは足りない
Botの話者識別は、会議に参加しているアカウント単位で分かれます。人数の上限はありませんが、1つのアカウントから複数人が話すと、その発言はまとめて識別されると公式が説明しています。会議室の1台の端末を囲んで話す場合が、まさにこれにあたります。
会議室側の発言者まで分けたいなら、会議室でも端末の録音を併用する手があります。ただし、オンライン参加者の声を会議室の端末がどこまで拾えるかは、スピーカーや部屋の設備しだいです。今回確認した公式ページには目安の記載が見当たらないので、本番の前に一度、同じ部屋で短く試しておくのが確実です。
取材の録音と動画は、入れ方しだいで使える機能が変わる
取材・インタビューは「録ってから取り込む」
取材は、スマホの録音アプリやICレコーダーで録り、終わってからファイルで取り込むのが基本です。対応形式は次のとおりです。
- 音声 … wav・mp3・m4a・caf・aiff・wma・mda
- 動画 … avi・rmvb・flv・mp4・mov・wmv・webm・3gp・mts
上限は、音声が1GBまたは5時間、動画が10GBまたは5時間の小さいほうです。FLACやOGGのように一覧にない形式で録っている場合は、変換してから上げることになります。
取り込んだファイルは、全言語で話者識別が効きます(最大10名)。ただし話者識別を使うファイルは3時間までです。長い取材は、前半と後半に分けて録るか、あらかじめ3時間以内に切っておくと、あとで話者を振り直す手間が減ります。
公開されているYouTube動画はURLを貼る
公開動画とショート動画は、Nottaの「アップロード」からYouTubeのリンクを貼るだけで文字起こしできます。動画をダウンロードする必要はありません。その代わり、ほかの入口より使える機能が少なくなります。
- 話者識別と2か国語の翻訳は使えない
- 単語登録(辞書)が効かない
- Notta上で音声を再生して聞き直せない
聞き直しながら直す作業ができないので、固有名詞の多い講演や技術解説の動画は、取り込んだあとに元の動画と見比べて手直しする時間を見込んでおきます。
限定公開の動画やブラウザで見る音声は、タブごと録る
限定公開・非公開・ライブ配信のYouTubeはURLでは取り込めません。この場合は、Chrome拡張のタブ録音に切り替えます。ブラウザのタブで再生している音声をそのまま録る機能で、ブラウザで再生するWeb動画や、限定公開・非公開のYouTube動画も対象になると公式は書いています。
録れるのは音声だけで、画面は録画されません。また、再生しながら録る方式なので、1時間の動画には1時間かかります。話者識別は日本語のみです。
なお、Chrome拡張にある「YouTube動画の要約」は、文字起こしとは別の機能です。字幕が付いた動画の要点をAIがまとめるもので、全文は残りません。AI要約の回数も消費するので、全文が要るときはURL取り込みかタブ録音を使ってください。
Botが会議に入れない・途中で止まるときの確認順
Botまわりのつまずきは、Nottaの設定より会議ツール側の設定で起きることが多いです。入れないときは、次の順で確かめると原因にたどり着きやすくなります。
- 会議の種類 … Zoomのウェビナー、Webexのウェビナー、ログインが必須のTeams会議には、そもそもBotが入れない
- URLの形 … Webexはパスコード付きのリンクでないと参加できない
- 待機室 … 待機室がある会議はホストの承認が要る。5分以内に承認されないと、Botは自動で退出する
- Zoomの録画許可 … 外部の参加者にローカル録画を許可する設定が、ホスト側で有効になっている必要がある
Botが入れない会議では、別の入口に切り替えるしかありません。確実なのは、対面の会議と同じく端末で録音する方法です。ただしパソコンのスピーカーから出る相手の声をどこまで拾えるかは、音量や部屋の環境しだいです。
ブラウザで参加している会議なら、タブ録音で相手側の音声を拾える見込みもあります。ただ、公式がタブ録音の対象として挙げているのは再生中の動画や音声で、会議の音声や自分のマイクの声まで入るかは記載がありません(要確認)。使う前に短い会議で、自分の発言が残るかを確かめてください。
途中で止まった場合は、終了条件を確認してください。Botは録音が5時間に達したときか、自分以外の参加者がいなくなったときに自動で終了します。休憩で全員が一度退出する長い会議は、再開後にBotを呼び直す必要があります。
文字起こしのあと:要約・共有・書き出しの段取り
AI要約は、短すぎる録音には使えない
AI要約は、文字起こし結果が200文字以上ないと生成できません。数十秒のメモでは要約ボタンを押しても動かないので、短い録音はそのまま読むほうが早いです。回数は生成に成功したときだけ消費され、失敗しても減りません。
要約はテンプレートを選んで作ります。自分用のテンプレートを作れるのはプレミアムからです。また、要約の一部の項目にタイムスタンプが付くのは、音声が90分未満の場合だけです。要約で拾いきれない話の扱い方は、AI要約のコツにまとめています。
共有はリンク、書き出しはプレミアムから
チームや取引先に渡すだけなら、共有リンクで足ります。全文でもブロック単位でも共有でき、パスワード保護もかけられます。これはフリーから使えます。
ファイルとして残したい場合の形式は、テキストがTXT・Word・SRT・PDF・Excel、音声がMP3、動画がMP4です。複数のノートをまとめて書き出すのは10件までです。料金ページでは、このダウンロードはプレミアムで加わる機能として書かれています。字幕用のSRTが欲しい、議事録をWordで社内に残したい、という用途があるなら、そこが有料を考える分かれ目になります。
単語登録は、フリーでは3語だけ
社名・製品名・人名の誤変換を減らす単語登録は、フリーから使えます。ただし登録できるのはフリーが3語、プレミアムが200語、ビジネスが1,000語です。日本語用と英語用は別に管理します。
フリーで使うなら、一番よく出てきて一番よく間違える3語に絞って登録するのが現実的です。また、前の章のとおりYouTubeのURL取り込みには単語登録が効きません。
よくある質問
フリープランでもWeb会議にBotを参加させられますか?
参加させられます。手動の招待もカレンダー連携の自動参加も、公式ヘルプは全プランで利用可能としています。
ただし、フリーには1回あたりの文字起こしの上限(3分)があります。この上限がBotの会議にも同じようにかかるかは、Web会議のページに明記がありません(要確認)。長い会議で使う前に、短い会議で結果がどこまで残るかを確かめてください。
英語の対面会議でも、話者を分けて文字起こしできますか?
リアルタイム録音のままでは分けられません。マイク録音で話者識別が効くのは日本語のみです。英語の会議は、録音アプリで録ってからファイルとして取り込めば、全言語対応の話者識別が使えます。その場で文字を追えない代わりに、話者つきの記録が残ります。
限定公開のYouTube動画は文字起こしできますか?
URLの取り込みでは対応していません(公開動画とショート動画のみ)。限定公開の動画は、Chrome拡張のタブ録音で、再生している音声を録る方法になります。動画の長さぶん時間がかかる点と、話者識別が日本語のみになる点は割り引いて考えてください。
専用のボイスレコーダー(Notta Memo)は買ったほうがいいですか?
多くの人は、スマホの録音とファイル取り込みで足ります。Notta Memoは公式価格23,500円(税込)のカード型レコーダーで、購入すると月600分の文字起こしなどが付く「ハードウェアプラン」が生涯無料で使えると公式は案内しています(1台につき1アカウント)。スマホを録音に使えない現場が多い人や、Nottaの有料プランを長く続ける見込みがある人は、本体価格と月額を並べて比べる価値があります。
